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ペットと共に医療・福祉施設でボランティアをしたい…
〜あなたのペットには適性がありますか〜

2021年5月11日 掲載

目次:
1:動物にも評価が必要!?
2:ハッピーな動物が人をハッピーにする
3:動物の評価、何を検討すべき?


1:動物にも評価が必要!?


いわゆる「アニマルセラピー」と呼ばれる動物介在活動や動物介在療法など、最近は人間の医療、福祉、教育等々の現場に動物を連れて入る試みが増えているようである。確かに、動物は人間の行動や心理に不思議なほどポジティブな影響を与えることが多々ある。それ故に、様々な方面で動物を活用してみたいと思う人々の声が上がるということは当然であろう。ペットを飼っていて、かつ社会貢献をしたいと思ったことがある人は、一度は「アニマルセラピー」を考えたことがあるのではなかろうか。

しかし、人間にも仕事に対する適性、すなわち得手不得手があるのと同じように、動物にも「アニマルセラピー」などに参加する適性を有するものとそうでないものがいるのは当たり前のことであろう。
 
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2:ハッピーな動物が人をハッピーにする


まず一つ覚えておかなければならない基本的事項がある。それは動物が人間に癒しを与えるのは何故であろうかという点に関する事柄である。(一社)アニマル・リテラシー総研の電子資料「動物介在介入(AAI)の基礎〜失敗しない活動のために〜」の中で詳しく解説しているが、動物は太古の昔から人間にとっては環境のバロメーターという重要な役割を果たしてきたのである。

例えば、小動物がゆったりと、安心して過ごす姿はそこの環境には今のところ捕食獣などの脅威が感じられないということを意味し、それを見た原始人たちは自らもほっとした気持ちを抱いたに違いない。また、逆にそれらの動物たちが逃げ惑う姿や恐怖・苦痛などを感じている姿を目にすれば、人間は自分にも災いが降りかかってくるやもしれぬと緊張したことであろう。つまり、動物たちが我々人間を癒してくれる、我々の心を落ち着かせてくれるのは、彼ら自身が落ち着いている、心安らかに過ごしていられる時のみなのである。単純に言えば、彼らがハッピーであれば我らもハッピーになれるということなのである。無論、彼らが苦しんでいればそこから人間を癒すようなポジティブなオーラは決して出てこないということも言えるのである。これこそが動物介在介入の神髄であり、活動の現場でハッピーに過ごすことができる動物を連れていくことができなければ、周囲に良い影響を与えることは不可能になってしまうということを忘れてはならない。
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3:動物の評価、何を検討すべき?


このような基本を踏まえて浮上するのが活動する動物の選択という重要な作業である。言うまでもなく、活動の場面において自信をもって楽しく過ごすことができる動物は、犬であろうと、猫やウサギなどのその他の動物であろうと適性のある個体である。当法人では、そのような個体をどのように評価していくべきかについて考えるための電子資料「うちの愛犬、アニマルセラピーに参加できる?〜動物介在介入(AAI)参加動物の評価のための指針〜」の販売を開始した。

医療や福祉の現場に動物を連れていくということには、必ずリスクがついて回ると言っても決して過言ではない。活動が、人間に害を与えるようなことがあってはならないのである。動物の行動や衛生管理など、事前に押さえておかなければならない要素はたくさんある。言うまでもなく、行動管理や人獣共通感染症という観点から、野生動物は決して動物介在介入に用いるべきではない。これは世界的にも様々な関係団体や学会などで強調されていることである。実のところ、動物園などの施設で行われている「触れ合い」の中の野生獣を用いたものも容認されるべきではないという意見も多数聞かれる。しかし、犬や猫などのペットとして人間と生活を共にしている動物でもしっかりとした適正審査は必要であろう。

まず当たり前のこととして、感染症管理の有無や全般的な健康チェックなどは絶対に必要である。しかし、その他に犬の場合には基本的なしつけのチェックをする必要がある。高度な「芸」を求めるわけではないが、基本的な号令に従うことができる程度のことは必要である。時には「十分な訓練」がすべてであるという考え方に遭遇するが、これは誤解である。号令にしっかりと従うことができるということは、その犬が他人と触れ合うことを心底楽しめることの保証にはならない。飛びついたり、咬んだり、所かまわず吠えたりすることなどは、言うまでもなくあってはならぬ行動ではあるが、そのような無軌道な行動がないことの確認だけでは十分ではないのである。どのような動物であっても、環境の良きバロメーターとなる要素を持っていなければならない。人好きであるか?他人との交流を楽しむ社交性に富んでいるか?他者からの接触に対して過敏な反応をしないか?耳慣れぬ音や見慣れぬ人々や場所にすぐに慣れることができるか?確認していかなければならないことはたくさんある。

もう一つ重要な要素は動物の「福祉」というキーワードに関するものである。活動中に動物の福祉が侵害されるようなことがあってはならないのである。何故ならば、動物の福祉が侵害される、すなわち動物が心地良い状態から引きずり出されるような状況が生じてしまったという時点で、動物が周囲の人間に対してポジティブな影響を与えることができなくなってしまうからである。これは動物自体の評価に加え周囲の人間、とりわけその動物のハンドラーの注意力なども厳しく査定されるべきことであるという点を示唆している。

「うちの愛犬、アニマルセラピーに参加できる?〜動物介在介入(AAI)参加動物の評価のための指針〜」にはどのような点を念頭に置きながら動物の参加適性を評価すれば良いかに加え、動物介在介入に特化はしていないが、社会参加の評価試験を行っている団体の具体例なども記載されている。試験を実施するということはどのようなことであるかという観点からは参考になるはずである。

無論、参加動物だけではなく、動物のハンドラー(多くの場合はボランティアの飼い主)についても、このような取り組みに参加するにあたり、評価することは必要不可欠である。動物のハンドラーの評価については、当法人で販売している電子資料「まずハンドラーから選ぶ〜動物介在プログラムに参加するボランティアの評価方法〜」を参考にしてほしい。

「アニマルセラピー」に参加する際には、ぜひ人間も動物も適切な評価を実施し、十分なリスク管理を講じた上で、素敵な癒しの時間を届けてほしい。


 
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