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無料記事5:施設内飼育における動物福祉について
〜その「アニマルセラピー」適切に実践できていますか?〜

2018年10月17日 掲載

施設内飼育における動物福祉について
〜その「アニマルセラピー」適切に実践できていますか?〜

先月は動物愛護週間として、一般家庭のペットの犬猫などについては取り組みがクローズアップされ、動物愛護活動も盛り上がりを見せていると感じたが、今回は、一般の家庭以外で飼われている動物、すなわち医療・福祉・教育施設などの施設内で飼育されている動物たちの福祉や飼養管理状況について考えてみたい。

最近高齢者施設などで動物を飼育し、「『アニマルセラピー』をやっています」などと宣伝をするところが増えてきていると感じることがある。しかし、果たして本当にこれらの動物の飼育は適切に行われているのだろうかという疑問を同時に抱いてしまうのである。だが、それより前に、まずは動物がどうして人間のストレスなどを解消し癒し効果を発揮するのかを考えてみなければならない。その根底にあるのは「原始の血の説」というものであることは様々なところで語られている。動物が太古の昔から人間にとって環境のバロメーターとなっていたのであろうという説である。安心して憩う動物の姿を目にした人間は、その環境内では肉食獣による攻撃や危険な自然現象等々はおそらく起こることがないであろうと考え、自分たちもリラックスすることができたのである。逆に安心することができず不安や不快などを示す動物の姿は、その環境に何かが起こる前兆とされ、それを目にした人間自身も落ち着かなくなってしまうのである。つまり、動物が可愛いから癒されるのではなく、動物がストレスを感じずに安定した状態にあり「幸せである」姿を見せるからこそ周囲の人間は癒されるのである。しばしば「アニマルセラピー」という言葉で表現されている、動物の所謂癒し効果を目的とした動物介在介入(Animal Assisted Intervention/Interaction)の基礎やその効果の詳細については、当法人で販売しているファクトシートやガイドブックを参考にしてほしい。

さて、上記の説を施設内飼育に当てはめてみると、まず大切なのはどのような動物を飼育しようと、その動物がストレスを感じることのない質の良い生活環境を与えられていることである。適切な飼養管理体制が整っておらず、動物の状態が良好ではなくなった時には、それを見ている周りの人間たちも無意識のうちにストレスを感じ始めてしまうのである。動物の福祉と人間の福祉は確実に連動しているのである。小鳥やハムスターのような小動物であっても、ケージの中が汚れている、性質の合わない個体同士を一緒にしてしまったことにより喧嘩が絶えない、食事が適切でないために肥満、激やせ、被毛の質の低下等々が起きているなどというようなことがあれば、その被害を受けるのは動物たちだけではない。犬、猫やウサギなどのより大きな動物を含めて、最良の状態を保つ必要がある。これと同時に、動物を導入するということは感染症や事故の危険を持ち込むことでもある。恐ろしいことに、セラピー犬と称された犬が咬みつき犬であったなどという事例は決して一つや二つではない。

さらには、病原体が犬の身体に付着したまま人から人へとうつっていくなどという事例まである。
動物を活用してみたいと思う施設関係者は、まずはそれがどのようなリスクを伴うものかを考え、さらには数少ない専門家の指導を受けるべきであろう。施設内飼育の動物の福祉を考えることは、動物への配慮のみならず、人間の入所者に対するサービスの品質管理や安全性等々に対するリスク管理という観点からも重要なのである。人の福祉、動物の福祉、どちらも犠牲にしてはならない。
医療・福祉・教育施設などで動物を飼育する場合に、ぜひ役立ててほしい指針を当法人で販売している。
 

 

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